性ホルモン結合グロブリンが高いと、2型糖尿病発症率が低い。

性ホルモン結合グロブリン(SHBG) について、NEJM 2009年9月17日号ではじめて読みました。
 
「男女とも、SHBGが高いと2型糖尿病発症リスクが低い。SHBGの血中濃度が高値となるSNPsが同定されており、SHBGの値の増加率に応じて、2型糖尿病発症リスクが低下した。SHBGが性ホルモン(テストステロン、エストロゲン)をmodulateし、エストロゲンに対しては拮抗作用をもつ」ということです。
 
エストロゲンが耐糖能に対して常に悪いかというとそういうわけではなく、「経皮的ストラディオール投与は血糖値を上げSHBGは不変、経口エストロゲンはSHBGを上げ血糖値を下げる」という結果があり、SHBGが糖尿病発症のpredictor となるメカニズムはこの論文からはよくわからず。
 
12月31日号のcorresponding 2)も興味深かった。
①脂肪肝が改善すると、SHBGが増加する。lipogenesisがSHBGを低下させ、インスリン抵抗性の原因となる可能性を示唆。
②インスリンが、肝臓のSHBG産生を抑制するので、インスリン抵抗性に伴う高インスリン血症がSHBG低値の原因ではという疑問に、authorは、「否定はできないが、2型糖尿病は発症リスクに、SHBGが血中インスリンレベルよりはるかに強く相関している」ことをあげています。
内因性の性ホルモンは、耐糖能にさまざまの形で影響していることを再認識しました。
1) Sex Hormone–Binding Globulin and Risk of Type 2 Diabetes in Women and Men. N Engl J Med 2009; 361:1152-63
2) Sex Hormone–Binding Globulin and Risk of Type 2 Diabetes. N Engl J Med 2009; 361:2675-2678
3) Sex Differences of Endogenous Sex Hormones and Risk of Type 2 Diabetes JAMA. 2006;295:1288-1299.
4) Endogenous Sex Hormones and Type 2 Diabetes Risk—Reply JAMA. 2006; 296:169-170
5) The effect of conjugated equine oestrogen on diabetes incidence: The Women’s Health Initiative randomised trial Diabetologia (2006) 49: 459–468

低ゴナドロトピン血症でもインスリン抵抗性、adiposity を招く  2)。バランスが大切。
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糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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