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肥満手術により腸管の食欲制御が変化する

肥満手術後に体重と摂餌量が減少、脂肪食の嗜好は低下する。
この効果には、脂肪食に反応したオレオイルエタノールアミン産生の増加、腸管のPPARα、迷走神経、背側線条体ドーパミン1受容体シグナリングが関与する。

まとめ
オレオイルエタノールアミンoleoylethanolamine (OEA)は、脂肪食に反応し腸管で脂肪酸から産生される。
OAEは、fat satiety moleculeである。

OEAは、PPARαのligandの一つである。腸管のPPARαを活性化は迷走神経を介して脳内報酬系を担う背側線条体のドーパミン放出 (dorsal striatal dopamine release)を増強し脂肪に対する食欲を抑制する、
肥満者では、オレオイルエタノールアミンよる報酬系を介した食欲抑制作用が低下している。

肥満手術を受けたラットでは、高脂肪食摂取後のOAE産生が増加し、背側線条体のドーパミン放出が増加した。脂肪食30分でのエネルギー摂取はコントロールに比べ低下する。高脂肪食嗜好は抑制される。
迷走神経切断により、肥満手術による脂肪食摂取後の背側線条体ドーパミン放出の亢進と摂取エネルギーの抑制は消失する。
PET scan で、肥満手術により、線条体でドーパミン1受容体の活性化が示されている。
コントロールマウスで背側線条体ドーパミンの抑制では脂肪食に対する嗜好は変化しない。

Hankir MK et al. Gastric Bypass Surgery Recruits a Gut PPARa-Striatal D1R Pathway to Reduce Fat Appetite in Obese Rats Cell Metabolism 2017 Feb 7;25(2):335-344.

Caligiuri S Kenny PJ. Bariatric Surgery Restores Gut-Brain Signaling to Reduce Fat Intake Cell Metab. 2017 Feb 7;25(2):221-222

 
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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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