核移植によるβ細胞の作成

1型糖尿病患者の線維芽細胞から核移植の手法で、β細胞の分化誘導が成功している。

線維芽細胞の核を研究用に提供された卵細胞に移植し、ES細胞を作成後、β細胞を誘導する。
この細胞は体外でまだ未成熟であるが、マウスの皮下に移植20日後、プロインスリン/インスリン比は膵島に近づき、インスリンとグルカゴンが二重陽性となる細胞はほとんど認められない。

streptozotocin 処置により、移植を行わないマウスでは高血糖となるが、皮下に作成されたβ細胞を移植したマウスでは、ヒト膵島を腎被膜下に移植したマウスと同様に正常血糖が保たれる。

Sui L et al. β-Cell Replacement in Mice Using Human Type 1 Diabetes Nuclear Transfer Embryonic Stem Cells. Diabetes. 2018 Jan;67(1):26-35.

Nishizawa M, Chonabayashi K, Nomura M, et al. Epigenetic variation between human induced pluripotent stem cell lines is an indicator of differentiation capacity. Cell Stem Cell 2016;19:341–354
iPS細胞には分化誘導が難しい細胞とES細胞のように分化する細胞がある。
iPS細胞から成熟細胞への分化能は、リプログラミング期間における DNA methylatin のパターンが影響する。

Yamada M et al. Human oocytes reprogram adult somatic nuclei of a type 1 diabetic to diploid pluripotent stem cells. Nature 2014;510:533–53

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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