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炭水化物摂取比率60%以上の食事では死亡率が上昇する。

ARICスタディはアメリカのコミュニティでの結果、PUREスタディはアジアを含む18ヶ国の結果で、アジアでは炭水化物比率が高いため、52%の国で炭水化物比率60%以上となっていた。AIRCスタディの方がフォローアップ期は長い。(ARIC25年、PURE 7.4年)
ARICスタディで、死亡率は炭水化物エネルギー比率に対してU字カープを描く。炭水化物でエネルギーの50-55%を摂取する場合が死亡率が低い。1)
PUREスタディでは、炭水化物約60%以上の食事は総死亡率が高く、脂肪比率が高いほど総死亡率が低い。2)

炭水化物比率増加では、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症、apolipoprotein B (ApoB)-to- apolipoprotein A1 (ApoA1) の上昇、small dense LDL上昇が認められる。2)

AIRCスタディで炭水化物比率の低い場合でも死亡率の上昇が認められる。
低炭水化物食では、野菜、フルーツ、grains が不足する傾向があり、タンパク質を動物性由来の食品から摂取する傾向がある。
低炭水化物食とバランスの良い食事では、bioactive dietary components (分枝鎖アミノ酸、脂肪酸、食物線維、phytochemicals、haem iron、ビタミン、ミネラルなどの比率が異なる。
長期の低炭水化物食では、植物由来タンパク質が低く動物由来タンパク質、脂肪摂取量が増えるため、炎症経路、生物学的加齢、酸化ストレスを刺激すると想定されている。1)

日本では、総エネルギーに対して炭水化物60%、タンパク質15%、脂肪20%で摂取している。
NIPPON DATA80では、moderate diet で炭水化物が低くタンパク質と脂肪が多い食事は、女性で心血管死亡率、全死亡率と逆相関する。3)

1 Seidelmann SB et al. Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis
Lancet Public Health. 2018 Sep;3(9):e419-e428. doi: 10.1016/S2468-2667(18)30135-X. Epub 2018 Aug 17.
四つのアメリカ合衆国のコミュニティ、45-64歳、15428人、男性で、<600 kcal/day、>4200kcal/day、女性 <600 kcal/day、>3500kcal/dayは除外、25年のフォローアップの結果、炭水化物でエネルギーの50-55%を摂取する場合が死亡率が低い。炭水化物40%未満、70%を超える場合、moderate intake に比べ死亡率が増加する。

2 Dehghan M et al. Associations of fats and carbohydrate intake with cardiovascular disease and mortality in 18 countries from five continents (PURE): a prospective cohort study. Lancet. 2017 Nov 4;390(10107):2050-2062
18カ国、135335人、7.4年のフォローアップ、アジアの国も含まれる。
半分以上の国が総エネルギーに対する炭水化物比率60%以上、1/4の国で70%以上を炭水化物から摂取していた。
炭水化物摂取比率が高い五分の1分画で、一番低い分画より総死亡率が高い。心血管疾患リスク、心血管疾患による死亡には関連しない。
エネルギー摂取に対する脂肪比率が高いほど死亡率が低い。
総脂肪、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸比率は、一番低い5分の1分画に比べ一番高い分画で死亡率が低い。
総脂肪比率、脂肪の種類は、心血管疾患、心筋梗塞、心血管死には関連しない。
飽和脂肪酸摂取量が多いほど脳卒中リスクと逆相関する。

3 Nakamura Y et al. Low-carbohydrate diets and cardiovascular and total mortality in Japanese: a 29-year follow-up of NIPPON DATA80. Br J Nutr. 2014 Sep 28;112(6):916-24
9200人、1980年をベースラインとして29年のフォローアップをおこなった日本のスタディ。

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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