GLP-1―食事量に応じたインスリン分泌を調整(研究会)

糖尿病研究会で、関西電力病院院長 清野裕先生の御講演を聞いてきました。
まとめ

ご飯1杯、2杯、3杯でも生理的な血糖値は140以下の狭いレンジにrigid に調整される。血糖値が同じでも食事量が多いほど、インクレチンによりインスリン分泌は増え血糖値を調整している。

1902年、セクレチンが発見。その後、腸管から分泌されるインスリン様のホルモンが想定され、Intestine secretion insulin からそのホルモンをインクレチンと名付けた。
プレプログルカゴンから異なるプロセッシングで、α細胞ではグルカゴン、小腸ではGLP-1が産生される。

β細胞でのインスリン分泌では、kir6.2 の経路(惹起経路)を1とすると、GLP-1経路(増強経路―cAMP potentiation) は1.5から2はある。

GLP-1 は門脈から肝臓に達するまでに1/4に減少。腸で分泌されたGLP-1は神経シグナルを介してCNSへ働く。GLP-1は脳でも産生され、局所的に作用することが想定されている。

アジア人の糖尿病は欧米人と異なる。日本人での総GLP-1、活性型GLP-1のデーターをin press でお持ちのようでした。日本以外のアジアでは、欧米と同じA1C(NSGP) を採用している。日本の糖尿病診断基準改定後、、アジアから世界に向けて研究を発信してくださいと熱く話されたのでした。

講演会を契機に論文を引いてまとめ

プレプログルカゴンから、α細胞では、prohormon converting enzyme (PC) 2によりグルカゴンが、腸管ではPC1によりGLP-1、GLP-2、Glicentin(エンテログルカゴンとも呼ばれる)、Oxyntomodulinが産生される。3)

GLP-1は血液中に分泌され、またvagal nerve, spinal nerve 刺激して、CNSへ働く。

GLP-1はDPPIVにより早急に分解されるので、末梢のGLP-1がBBBを越えて、直接CNSに働くのではない。GLP-1は、脳幹のニューロンでも産生され、それらのニューロン食欲やエネルギーホメオスタシスに関与する後脳、視床にシグナルを送っている。GLP-1レセプターは、腸(gut)、膵臓、脳幹、迷走求心神経に発現している。 2)

1) The role of gut hormones in glucose homeostasis J Clin Invest. 2007;117(1):24–32.
2) Gastrointestinal regulation of food intake J Clin Invest. 2007;117(1):13–23. (上の論文から孫引)
3) 糖尿病専門医研修ガイドブック第4版 診断と治療社

J Clin Invest. 2007;117:13–23. Fig. 2

医師ブログ20100226_GLP-1  
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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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