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GLP-1とその分解産物は糖尿病モデルマウスの尿細管間質傷害を改善する。

GLP-1、GLP-1 (9-37)、GLP-1 (28-37)は、db/db マウスの尿細管間質傷害を改善する。これらはマウス腎臓でT細胞とマクロファージ集積を抑制している。分解産物の作用はGLP-1受容体を介さない。この論文の筆者らは、ヒトGLP-1分解産物には臓器保護作用があるため、臨床研究でヒトGLP-1を基礎としたGLP-1受容体作動薬がextendin-4を基本とした製剤よりも臓器保護効果を示しているとしています。

まとめ
アデノ随伴ウイルスでdb/db マウスにDPP4に耐性なGLP-1 (7-37Mut8)、GLP-1 (9-37)、GLP-1 (28-37)を発現させた。

・GLP-1 (7-37Mut8)は血糖値を改善する。
・GLP-1 (7-37Mut8)、GLP-1 (9-37)、GLP-1 (28-37)の発現で、尿細管間質傷害 (tubulointerstitial injury) が改善する。尿アルブミンは減少せず、糸球体ダメージ、足細胞の傷害は改善しない。腎臓でT細胞、マクロファージの集積が抑制される。LacZに比べマウスの寿命が延長する。マウスの心機能は改善しなかった。
・ヒトとマウスの尿細管細胞株で、GLP-1、GLP-1 (9-36)、GLP-1 (28-36)は、CCL5 (RANTES)依存性T細胞の遊走能を阻害した。
・腎虚血灌流傷害モデル (acute renal ischemia/reperfusion injury model) でも、全身の免疫調節効果 (systemic immunomodulatory effect) が認められる。

Moellmann J et al. Glucagon-Like Peptide 1 and Its Cleavage Products Are Renoprotective in Murine Diabetic Nephropathy. Diabetes. 2018 Nov;67(11):2410-2419.

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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