FC2ブログ

メトフォルミンは直接L細胞に作用しGLP-1 分泌を刺激する。

メトフォルミンは胆汁酸再吸収抑制や腸管でセロトニン分泌促進する経路のほか、直接L細胞に作用しGLP-1分泌を刺激する。

腸管L細胞への直接作用
2型糖尿病患者12人で、メトフォルミン1500mg single dose は、食事負荷後のGLP-1分泌を促進する。GLP-1受容体拮抗薬Exenatide (9-39) を併用した結果、メトフォルミンによる食事負荷時の血糖降下作用の75%は、GLP-1分泌促進作用による。

ヒト腸管上皮細胞でメトフォルミンはGLP-1分泌を促進する。cAMP-activated protein kinase inhibitor である dorsomorphin は、メトフォルミンによるGLP-1分泌を抑制する。細胞内cAMP濃度を上昇させるIBMX、forskolinは、GLP-1分泌を促進する。

胆汁酸再吸収抑制
メトロフォルミンは、空腸のapical sodium-dependent bile acid transporter (ASBT) を阻害し、腸管内の胆汁酸濃度を上昇させる。胆汁酸は、核内受容体 farnesoid X receptor、Gタンパク共役受容体TGR5 を活性化し、グルコース代謝に関与している。ヒトと動物で胆汁酸の増加はGLP-1の血中濃度を上昇させる。

セロトニン分泌促進
腸クローム親和性細胞 (enterochromaffin cell)はセロトニンを分泌する。セロトニンは腸管L細胞でGLP-1分泌を促進する。
メトフォルミンは腸管でセロトニン分泌を刺激し、その結果、GLP-1分泌を促進する。
ヒト腸管上皮細胞で、serotonin transporter inhibitor は、メトフォルミンによるGLP-1分泌を抑制する。

Bahne E et al. Metformin-induced glucagon-like peptide-1 secretion contributes to the actions of metformin in type 2 diabetes. JCI Insight. 2018 Dec 6;3(23). pii: 93936. doi: 10.1172/jci.insight.93936. [Epub ahead of print]

Ripken D et al. Nutrient-induced Glucagon Like peptide-1 Release Is Modulated by Serotonin J Nutr Biochem (2016)

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
144位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
14位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム