スタチンと糖尿病発症

JUPITRE で糖尿病発症との関連が指摘され、アトロバスタチンも日本では糖尿病との関連について注意喚起がされたことがありました。
スタチンと、糖尿病新規発症を見た、13randomized control trial のメタ解析の結果(アトロバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン) が示された。4年間のスタチン治療で、糖尿病新規発症は9%増加とということでした。 スタチンがもたらすベネフィットを考えると、リスクは少なくスタチン使用に躊躇するものではないと思われた。
まとめ
1)
平均4年のスタチン治療で、糖尿病発症は9%増加、オッズ比1.0991000人でスタチン群から2226人、コントロールから2052人の新規発症。

2)
個々のトライアルで、糖尿病発症との関連が示唆されたのは、JUPITRR(ロスバスタチン)とPROSPER(プラバスタチン)

3)
ベースラインのBMILDLコレステロールの低下率には無関係。Molecular mechanism は不明。(アトロバスタチンでは、GLUT-4 に関連して耐糖能に影響するという論文あり)

4)
高齢者ではリスクが高いが、60歳以下では問題ない。

5)
個々のトライアルで糖尿病診断は異なっていた。CORONAHPSではphysician reporting のみでdocumented biochemical analysis なし。この2つのトライアルを除くと糖尿病発症に有意差なし(p=0.10)今回のメタ解析では、血糖126 mg/dl を糖尿病診断として採用。

6)
他の心血管治療薬でも糖尿病との関連を示唆されているものはある。(サイアザイド、βブロッカー、ナイアシン)


1. Statins and risk of incident diabetes: a collaborative meta-analysis of randomised statin trials Lancet, Volume 375, Issue 9716, Pages 735 - 742, 27 February 2010

2. Statins and risk of incident diabetes: a collaborative meta-analysis of randomised statin trials The Lancet, Volume 375, Issue 9716, Pages 700 - 701, 27 February 2010

医師ブログ20100303ペニシリン   Wikipedia

青カビからスタチンが開発された。開発者、遠藤章先生アルバート・ラスカー臨床医学研究賞 (2008)を受賞されました。

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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