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1型糖尿病のinsulin low 細胞

1型糖尿病のあるドナー(55人)とコントロール(10人)の比較、1型糖尿病の膵島には、インスリン含量の低いβ細胞 (insulin low 細胞)が存在する。
インスリンは、免疫染色で20倍長時間露光、コントラストなしで検知できるレベルである。

insulin low 細胞には、β細胞のマーカー(Pdx1、Nkx6.1、GLUT1、PC1/3)だけでなく、α細胞のマーカー(グルカゴン、ARX、GLP-1)も発現している。Pancreatic polypeptide、ソマトスタチン、グレリンを発現する細胞も認められる。insulin low 細胞が他のタイプの糖尿病にも認められるか更に検索が必要である。

NODマウスで報告されたbottom cell (Btm細胞)は、insulin low 細胞とは異なっている。
Btm細胞は、β細胞特有の遺伝子発現を低下させ免疫的攻撃から逃れている。Btm細胞では、インスリンとグルカゴン、インスリンとソマトスタチンの二重陽性細胞は認められていない。

insulin low 細胞と血中Cペプチドとは相関がない。今回のスタディで、血中Cペプチドは0.05 mg/mlからしか測定できないためかもしれない。
insulin low 細胞は、1型糖尿病の内因性インスリン分泌を増加させる薬物治療のターゲットとなりうる。

Lam CJ, et al. Low-Level Insulin Content Within Abundant Non-b Islet Endocrine Cells in Long-standing Type 1 Diabetes. Diabetes. 2019 Mar;68(3):598-608.

Rui J et al. β Cells that Resist Immunological Attack Develop during Progression of Autoimmune Diabetes in NOD Mice. Cell Metab. 2017 Mar 7;25(3):727-738.

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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