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抗CD3モノクローナル抗体 teplizumab は1型糖尿病の発症を遅延させる。

二つ以上の膵島自己抗体陽性で耐糖能異常のある1型糖尿病患者の血縁者に対して抗CD3モノクローナル抗体teplizumab の14日間の投与と行なった。teplizumab は、1型糖尿病の発症を遅延させた。teplizumab は、T細胞のサブセットを変化させT細胞の反応を抑制する。

対象
8歳以上、1型糖尿病の血縁者、
・二つ以上の膵島関連自己抗体を有している。
・空腹時血糖値110から125 mg/dl 糖負荷試験2時間血糖値144から200 mg/dl 未満あるいは30、60、90分で200 mg/dl以上

18歳以下、糖負荷試験1ポイント以上の異常を対象にした場合、糖負荷試験結果の有無では、1型糖尿病発症に差がなかったため、2014年にプロトコールが変更された。
teplizumabあるいはプラセボを14日間外来で投与後、6ヶ月ごとに糖負荷試験をおこなう。

42人が1型糖尿病を発症、teplizumab 19/44 43%、プラセボ23/32 72% 、1型糖尿病発症まで、teplizumabは48.8ヶ月、プラセボは24.4ヶ月であった。

ZnT8抗体陰性、HLA-DR3をもたずHLA-DR4を有している人、糖負荷試験のCPRが平均より低い人に1型糖尿病発症遅延効果を示した。

teplizumab 投与後、T-cell unresponsiveness に関与する CD+8 T cell subset (TIGIT+KLRG1+EOMES+ CD8+ T cells) が増加する。

teplizumabによるリンパ球減少は第45日目までに改善する。

抗CD3モノクローナル抗体 は、Epstein–Barr virus (EBV) の再活性化をおこすことが知られている。EBV抗体陽性は30人(teplizumab 16人、プラセボ14人)、EBV DNAは、teplizumab群の8例で陽性となった。そのうち1例はDay38に咽頭炎と鼻汁があり、Day43から134の間にEBV DNAは測定感度以下になった。
サイトメガロウイルス抗体は、エントリ時に、teplizumab10人、プラセボ7人で陽性、teplizumab 投与後、1例でサイトメガロウイルス DNAがDay22で測定可能になりDay42で感度以下となった。

Herold KC et al. An Anti-CD3 Antibody, Teplizumab, in Relatives at Risk for Type 1 Diabetes. N Engl J Med. 2019 Jun 9. doi: 10.1056/NEJMoa1902226. [Epub ahead of print]

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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