インスリン分泌促進とグルカゴン分泌抑制

清野裕先生の御講演で紹介されていた論文を読んでみました。
「GLP-1による血糖降下作用で、インスリン分泌促進とグ ルカゴン分泌抑制作用は1;1」と説明されていて、講 演でプロト コールも紹介されていたが、フォローできず、論文にあたってみました。まだ in print の論文でした。


10人の男性2型糖尿病患者に対し、GLP-1を2時間持続注入、インスリン値、グルカゴン値 を測定。その後、ソマト スタチン注入で内因性グルカゴン、インスリンを抑制するなどいくつかのプロトコールを併用して、GLP-1によるインスリン刺激で必要となったグルコース 量と、グルカゴン 抑制で必要となるグルコース量を算定しているのだと思う。

GLP-1注入 で20gのグルコースが必要で、インスリン刺激分で10g、グルカゴン抑制分で10g分となっているという実験。門脈中のグルカゴン値のデーターをとって 注入量に反映させていた。

2型糖尿病での、α細胞機能障害の論文は1970年代から報告さ れていた。 この実験が生理的な糖代謝を完全に再現しているわけではないが、2型糖尿病の血糖コントロールでは、グルカゴン分泌抑制がこれまでの予想以上 に重要なことを示しているのだと思います。

1) The Glucagonostatic and Insulinotropic Effects of Glucagon-Like Peptide-1 Contribute Equally to its Glucose-Lowering Action Published online before print February 11, 2010, doi: 10.2337/db09-1414

2) Inappropriate suppression of glucagon during OGTT but not during isoglycaemic i.v. glucose infusion contributes to the reduced incretin effect in type 2 diabetes mellitus. Diabetologia (2007) 50:797–805

2)
1) と同じauthor で、1) にひかれていた論文。
糖負荷試験でのGIPGLP-1分泌は、2型糖尿病は、コントロールと変わらず。グルカゴン分泌は、2型糖尿病では抑制されず。2型糖尿病ではインクレチン作用の障害があるという内容。
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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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