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膵島内グルカゴンはβ細胞のGLP-1受容体を介してインスリン分泌を促進する。

グルカゴンはβ細胞のグルカゴン受容体、GLP-1受容体の両方を介してインスリン分泌を刺激するが、GLP-1受容体がより重要である。

まとめ
低分子化合物clozapine N-oxide (CNO) により活性化され、抑制性Gタンパク共役受容体 (inhibitory G protein-coupled receptor (Gi) と対になる受容体(GiD)を設計する。GiD をα細胞に発現するマウス(α-GiD マウス)では、薬剤によりGi が活性化され、グルカゴン分泌はコントロールの10%程度に遮断される。
CNO投与後の経腹膜糖負荷試験 IPGTTでは、コントロールに比べα-GiD マウスで血糖値が上昇、グルカゴン分泌とインスリン分泌は低下している。
高グルコース濃度 (12mM)、アミノ酸刺激で膵島のインスリン分泌は、GLP-1受容体拮抗薬 exendin(9–39)で低下するが、グルカゴン受容体拮抗薬 adomeglivantでは影響を認めない。グルカゴンによるインスリン分泌促進では、β細胞のグルカゴン受容体の寄与は低くGLP-1受容体がその役割を担っている。1)

グルタミンやアルギニン刺激によりα細胞のグルカゴンとGLP-1が分泌される。分泌量はGLP-1の方が少ないが、インスリン分泌刺激物質としてGLP-1はグルカゴンに比べ300倍のポテンシャルがある。
GLP-1受容体拮抗薬exendin 9–39 はグルカゴン刺激によるインスリン分泌をワイルドタイプの膵島で65%、β細胞にグルカゴン受容体を発現しないマウスの膵島で約80%低下させる。
β細胞にGLP-1受容体を発現しないマウスではグルカゴンによるインスリン分泌は85%に低下する。グルカゴンはβ細胞のグルカゴン受容体、GLP-1受容体の両方をしてインスリン分泌を刺激するがGLP-1受容体がより重要である。
グルカゴン、GLP-1のシグナル低下はβ細胞のcAMP濃度を低下させる。
GLP-1受容体拮抗薬/グルカゴン受容体拮抗薬を使っても、GIP刺激によるインスリン分泌は保たれる。2)

1. Zhu L et al. Intra-islet glucagon signaling is critical for maintaining glucose homeostasis. JCI Insight. 2019 Apr 23;5. pii: 127994.

2. Capozzi ME, et al. β Cell tone is defined by proglucagon peptides through cAMP signaling. JCI Insight. 2019;4(5): pii: 126742.

3. Svendsen B, et al. Insulin Secretion Depends on Intra-islet Glucagon Signaling. Cell Rep. 2018;25(5):1127–1134.e2.

4. グルカゴンはβ細胞でGLP-1受容体の weak agonistである。
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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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