非糖尿病者のA1Cと死亡率―A1C6.0%以上で死亡率が増加

NEJM34日号に非糖尿病者11092人のA1C (NGSP)と心血管イベントリスクや死亡率の解析結果が示されました1)

空腹時血糖値を< 100, 100 to < 126, 126A1C<5.0, 5.0 to <5.5, 5.5 to <6.0, 6.0 to <6.5, 6.5 のカテゴリーに分けると、空腹時血糖よりA1Cの方が、cardiovascular diseaseや死亡率に関係していたという内容。

 

A1C6.0%を超えると糖尿病だけでなく心血管病、死亡リスクが上昇していて、A1Cが正常範囲内でも、A1Cは心血管イベントの有用なマーカーである事が示されていた。

 

一方、A1C5%未満は、5から5.5%未満に比べ 死亡率が高く、ヘマトクリット、MCVで補正しても変わらず (J-shaped association)という結果でした。正常低値の血糖値や、A1Cに影響する血糖以外の因子が健康に与える影響も検討していくことが必要と本文中に述べられています。

 

本文中にはDECODA study に触れられていませんが、1999年にDECODE study で、空腹時血糖が正常でも糖負荷試験2時間後の血糖が高いと死亡率に対する危険度が2倍近くまで増加してくる結果が示され、食後血糖の管理の重要性が認識されてきました。

 

食後高血糖が動脈硬化や心血管イベントの指標として使われ、A1Cが使えるのかは今までは分からなかったことでした。今回の結果、非糖尿病者でA1Cが心血管イベントのマーカーとなることが示され、A1C6.0% (NGSP)=HbA1C (JDS) 5.6%を指標とすることになると思います。

 

1) Glycated Hemoglobin, Diabetes, and Cardiovascular Risk in Nondiabetic Adults N Engl J Med 2010;362:800-11.

2) Glucose tolerance and mortality: comparison of WHO and American Diabetic Association diagnostic criteria Lancet 1999; 354: 617-621

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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