ACCORD BP trial

Randomized control study (RCT) はやり直しがきかないので、デザインの段階がとても重要なのだと思う。ACCORD BP trial は、Lipid trial と組まれていて、心血管イベントハイリスクな糖尿病患者に、厳格な血圧、脂質管理の意義を同時に明らかにしようと試みたものでした。

Lipid trial には、

LDL 60-180 mg/dl

HDL 55mg/dl 未満(女性と黒人)、50 mg/dl (そのほかのグループ)

TG 750 mg/dl 未満か、400mg/dl 未満(脂質治療中)という基準があり、HDLが低いような人はLipid trialに回り、BP trial には比較的リスクの低い人が登録されたということです。

 

4733人の2型糖尿病患者を Intensive treatment (BP 120 mmHg 未満)Standard treatment (BP 140 mmHg 未満) に振り分け4.7年経過観察。40歳以上で心血管病あり、50歳以上で動脈硬化、アルブミン尿、左室肥大あり、あるいは2つ以上のリスクファクターをもつ人で、79歳までが対象。参加者の34%が心血管病をもつ。非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管死を評価した結果、両群で有意差なし。Serious adverse event Intensive treatmentで多い。

 

Discussion では、

1) Standard treatment のイベント発症は予想の50%と低く、ハイリスクな人がLipid study に回ったためと考えられている。

2) 血圧120mmHg140 mmHg の差は、イベントリスクに変化なかったが、5年という期間が短い可能性も指摘。

 

感想

Editorial の記述から、ADAの推奨する血圧130/80という目標はrandomized control trial のエビデンスがないということを知りました。

イベント発症リスクが予想より低く、なかなか評価が難しいスタディとなってしまいましたが、ハイリスクの人には、the lower, the better ではないと感じました。


Effects of Intensive Blood-Pressure Control in Type 2 Diabetes Mellitus. Published at www.nejm.org March 14, 2010 (10.1056/NEJMoa1001286)


ACCORD and Risk-Factor Control in Type 2 Diabetes. Published at www.nejm.org March 14, 2010 (10.1056/NEJMe1002498)


 

 

 

 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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