Visit to visit variability―血圧変動は血管イベントのリスクファクター

NEJMNAVIGATOR ACCORDが出てそちらを先に読んでいたけれど、Lancet に血圧関係のArticle 二報とReview があり気になっていました。

Article 二報は量が多く、Visit to visit variabilityという用語もイメージが湧かず、まずReviewへ。

「血圧変動は脳卒中リスクを上げる」ということで、私にとっては目新しく、こういうことがまだに解決だったのだという驚きもありました。

Visit to visit variabilityはクリニックで測る血圧が毎回変わることを示していました。

 

Morning surge: 早朝高血圧

White-coat hypertension: クリニックで血圧が高い

Masked hypertension:クリニックでは正常だが家では高血圧

Orthostatic hypotension:起立性低血圧

Orthostatic hypertension:起立性高血圧

人の血圧変動を示す用語ともいえますが、これらは脳卒中リスク、血管イベントリスク、臓器障害と結びついていることが明らかになっています。

 

カルシウム拮抗剤は血圧変動を良く抑え、ALLATでは、アムロジピン、chlothalidone、リシノプリルの順で血圧変動が少なく、それは脳卒中リスク抑制とパラレルであった。

βブロッカーは収縮期血圧を下げるが血圧変動を抑えられず。カルシウム拮抗薬、利尿剤と併用して血圧変動を抑えるとβブロッカーは脳卒中リスクを減らす。

スタチンも血圧変動を抑え、カルシウム拮抗薬剤との併用は相乗効果を示す。それぞれ血管のstiffness を減らすため。

ガイドラインはusual blood-pressureを用いているが、血圧変動も考慮すべきということでした。

 

感想

Morning surge は抑えるように降圧薬を調整していたが、白衣高血圧は家庭血圧が良ければ降圧剤服用とはならなかった。それはreview で言われるようにガイドラインが平均血圧に基づくため。血圧変動が血管イベントリスクと結びついているのであれば、血圧変動を抑える試みも必要と思う。

血圧変動を抑えるという点でカルシウム拮抗薬を推奨しており、RAS系阻害薬の評価が上がっている現在、カルシウム拮抗薬の再評価も進んでいるようです。


Limitations of the usual blood-pressure hypothesis and importance of variability, instability, and episodic hypertension. Lancet 2010; 375: 938–48

 

関連記事

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
68位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
11位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム