NAVIGATOR―バルサルタンは糖尿病発症を抑制

ACE阻害薬、ARBではすでに糖尿病は抑制が示されていたが、セカンドアウトカムであり、ライフスタイル介入も行われていなかった。Ramipril、Trandolapril、バルサルタン、カンデ サルタンで糖尿病発症抑制が示されmeta-analysis の論文もあり。

NAVIGATORでは、バルサルタンの糖尿病進展抑制、心血管イベント、心血管死をプライマリーアウトカムとして検討。 ライフスタイル介入も行われた。

IGTがあり、心血管病がある(55歳 以上)か、1つ以上の心血管イベントリスクがある(55歳以上)9306人、ナテグリニドとバルサ ルタンの2-by-2 factorial design5年 のフォローアップ。

糖 尿病発症率: バルサ ルタン33.1%、プラセボ36.8%、 ハ ザード比0.86

FBS
0.59 mg/dlOGTT 2時間値で3.15 mg/dl バルサル タンが低い。

心血管イベント、心血管 死では有意差なし。


今回の糖尿病発症でのrisk reduction 14%。 これまでのACE阻 害薬、ARBでのrisk reduction 25-30%だが、 今回の対象がIGT であるため。


プ ラセボでopen-label ACE阻 害薬、ARBの使用があり、バルサルタン群で、study treatment 中止が多かったため、心血管死、心血管イベントで有意差がつかず。


この論文中ではARBの 糖尿病抑制の機序は不明としていたが、カンデ サルタンの論文では、ARBpreadipocyte からadipocyte へ の分化を抑制したり、adiponectineを増加させたり、インスリン受容体、IRS-1PI3Kのセリンリン酸化を増加させること でインスリン感受性を改善するとしている。


NAVIGATOR
editorial では、「糖尿病発症予防にはARBでなくメトフォルミンです。」と書いてあり同感。

ナテグリニドの結果はこちら

1. Effect of Valsartan on the Incidence of Diabetes and Cardiovascular Events The NAVIGATOR Study Group Published at www.nejm.org March 14, 2010 (10.1056/NEJMoa1001121)

2. Effects of Candesartan on the Development of a New Diagnosis of Diabetes Mellitus in Patients With Heart Failure Circulation. 2005;112:48-53

3. Incident diabetes in clinical trials of antihypertensive drugs: a network meta-analysis Lancet 2007; 369: 201 - 207

 

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ジャンル : 学問・文化・芸術

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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